ゲームや実況動画、配信などで使われる「ループするBGM」は、DTMでの作曲においても制作する機会が多いジャンルの一つです。
本記事では、ループ対応のBGMを制作する方法と、その際に注意すべきポイントを解説していきます。
ループBGMの基本的な作り方
まずは通常どおりBGMを作曲します。
こちらは実際に制作した『Heir of Destiny』というBGMです。
ループBGMを作る上で最も重要なポイントは、曲の頭と終わりを繋いだときに違和感がないことです。
たとえばこの曲では、冒頭と末尾をどちらもドラム音で統一しています。
ループの違和感をなくすためには、曲の終わりを、曲の始まりと似た構成にするのがもっともシンプルかつ効果的な方法です。
リバーブ残響による「ブツ音」の回避方法
CubaseなどのDAW上では綺麗にループしていても、そのまま書き出すと「ブッ」といった違和感のある音が入ることがあります。
これは、書き出したBGMの頭に末尾のリバーブ成分(残響音)が反映されないために起きます。
解決方法
- 曲全体をコピーして並べる
- コピーした範囲を書き出す

こうすることで、リバーブの尾が次の小節の頭に自然につながり、綺麗なループになります。
特殊な楽器の場合の対処法
ハープやシンセパッドなど、残響音が大きく残る楽器を使っている場合は、それでもブツ音が発生することがあります。
その場合は以下の方法で対応可能です:
- 原因となるトラックの冒頭と末尾にフェードイン/フェードアウトをかける
- リバーブのみ別トラックで書き出し、それぞれフェード処理を加える
書き出すファイル形式の選び方【WAV・OGG推奨】
ループBGMを制作する際、ファイル形式の選択も非常に重要です。
- WAV
- OGG
これらはループ処理に適した形式で、余計な無音が入らずスムーズなループ再生が可能です。
- MP3
MP3は圧縮時に音源の前後にごくわずかな無音(ギャップ)が自動的に追加される仕様があります。
そのため、ループ再生時に音が途切れたり、一瞬止まるように感じられることがあります。
まとめ:自然なループBGM制作には細かな工夫が必要
ループBGMの制作では、構成・書き出し方法・ファイル形式の3つが大きなポイントです。
- 曲の頭と終わりを似た構成にする
- リバーブの末尾を意識して書き出す範囲を工夫する
- 書き出しはWAVまたはOGG形式を選ぶ
これらを押さえることで、ゲームや配信で違和感のないループBGMを実現できます。
ぜひあなたの作品作りに役立ててください!